バイクでの立ちゴケ

バイク
立ちゴケとは?

 

バイクに乗っていると、立ちゴケすることがあります。

バイクに乗らない人にはピンと来ないかもしれません。

もしくは バイク乗っていて転ぶなんてダサい と思われるかもしれません。

でも、立ちゴケは、ベテランのライダーでさえも起こしてしまうことがあるものです。

立ちゴケしたことのないライダーのほうが少ないかもしれません。

 

走行中に転ぶことはあり得ます。濡れていてスリップしたり、モノを踏んだり。2輪ならば想像できるでしょう。

 

立ちゴケは少し違います。

まず バイクは足つきが悪いことが多い。両足が着かないバイクも結構あります。

180㎝とか175㎝くらい身長が高ければ問題ないのですが、そうでないとつま先が着くくらいになることがあります。そうするとバランスが少し崩れただけで転んでしまいます。

バイクの重量はもともと200kgとか250㎏、それ以上もあります。

 

まっすぐ立っているときは支えるのも楽なのですが、傾きがある程度を超えると全身全力で支えようとしても普通の人には支えきれません。

バイクの重さや重心にもよりますが、傾きが限度を超えると片足ついているくらいではとうてい支えられません。

 

いざ 倒れそうになったときは もちろん片足でめいっぱい踏ん張り、両手に力をこめて、火事場のバカヂカラを出すべく、全力で引き揚げようとするのですが、ほんの数度の傾きの違いで持ちこたえられなくなるのです。

45度なんていうレベルではありません。もっと浅いレベルで容易に限界に達します。

 

また ゆっくり回旋したり、Uターンしていると、エンストすることがあります。

そのときはすでにバイクが傾いていて、その角度はすでに限界を超えています。そこでエンストすると足をついてもほとんどの場合 無駄なのです。

エンストするのも技術的な問題ではありますが、疲れていたりすると時々起こります。

けっこういろんな状況で、初心者からベテランライダーまで、立ちごけに見舞われることになるのです。

 

立ちゴケのダメージ

 

もちろん、こけたら恥ずかしい。

カラダもケガしてたら痛いし、すぐには重いバイクが起こせないし、とんでもない状況なのです。

前に一度、ゆっくりUターンしよとしてエンストし、コケたことがあります。そのときは、痛いところはさほどなかったのですが、おしりのあたりを打撲しました。

 

恥ずかしさのため、すぐに起き上がってバイクを起こそうとしたのですが、前にやったように起こそうとしても起き上がりません。手を入れて、脚力で一気に斜め上に引き上げるのですが、あせっていたのかできません。痛いせいではありません。

幸い、すぐ近くにいた交通整備の警備員が来てくれて、一緒に手伝ってくれたため、起こすことができたのです。

 

教習で、まず最初に、倒れたバイクを起こすことをやります。そのときは比較的スムーズにできたので、すぐにできると思ったのですが、それさえもできませんでした。

冷静にやればできると思いますが、なかなかその場の雰囲気では難しいです。

あせらずに というのは難しいです。それでも、いったん深呼吸するとか、まずは落ち着かないと修正できないものです。

 

バイクの損失も大きいです。バイクは、その重さゆえに、倒れただけでいろんなところが損傷します。

ミラー、クラッチレバー(ブレーキレバー)、タンクボディ、エンジン、ハンドル、グリップバー、マフラー、カウル。

下手すると人倒し、ン万円もかかることがあり、財布にも痛手です。

エンジンだけは傷がつかないよう、私はエンジンガードはつけるようにしていました。

それでも、大変な損失です。

 

アメリカンバイクは足つきがよく、ほとんど立ちゴケすることはありません。

 

跨って足をつきながら前後に移動させることが多いため、押していて転倒する「押しゴケ」もありません。

普通のバイク(ネイキッド)に乗っていた時は、納車した次の日に立ちゴケしました。

それ以降も、4-5回やってしまっています。クラッチかブレーキのどちらかのレバーは必ず、折れるか曲がるかしました。

 

精神的ショックも相当です。落ち込む 落ち込む。

 

立ちゴケしたときの作法

 

立ちゴケしそうになった時には、まずは限界まで頑張って踏ん張るのは必要です。

ですが、そのあとあきらめも肝心です。

 

さっきも言いましたが、どんなに頑張っても片足で支え切れない限界の傾きがあります。それを超えていたら、がんばるのはむしろ危険です。

重いバイクと一緒に倒れたら、大けがすることもあります。

一瞬で アッと悟ったら、すぐにバイクはあきらめて、飛びのくことです。

(ただ離すより、飛びのけるほうが安全です)

 

どんなに最後まで頑張っても、バイクの損傷は変わりません。倒れ方がスローになることはないのです。下敷きになるリスクだけです。

 

足が挟まれたら最後、一人ではどうしようもできません。

 

愛しいバイクには悪いけれども、いつでも逃げる覚悟をしておくことが、ライダーの心得なのです。

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