玄米のススメ

ダイエット

玄米のいいところ・悪いところ

 

玄米は体にいいと昔から言われています。

その理由は何でしょうか。調べてみました。

 

玄米の基本

 

白米と玄米の違いはなんでしょうか?

玄米とはどのようなものでしょう。まずは基本的なことを整理します。

 

たわわに実った稲穂を稲かりをして、脱穀すると籾(もみ)米が取れます。

これはお米の種と同じです。

 

そこから籾殻を取り除いたものが玄米になります。

基本、農家や行政で保存するときはこの玄米の状態です。

 

玄米には表皮が残っています。表皮(ヌカ層といいます)と胚芽がついていて、そこにお米の大部分の栄養素が含まれています。

 

このヌカ(糠)層を取り除くことを精米といい、皮が取り除かれ、胚乳のみの白米ができます。

 

胚芽米というのも栄養価が高いと評判になりました。これはイラストのように胚芽を残したもので、お米にビタミン等が残されているのです。

 

私の田舎では、玄米の状態で保存しておいて、食べるときにコイン精米機で1か月分くらいの量を精米しているところが多いです。

 

精米機にはヌカを全部取り除く精米のほかに、一部だけ残す設定もあります。ぶづき(分搗)米といいます。

5ぶづき(分搗)とか、7ぶづきといって、何分ヌカをとるか決められます。

多くとれば、だんだん白米に近づいていきます。

 

玄米の特徴(メリット・デメリット)

 

玄米には独特の味やにおいがあり、それが苦手の人も多いようです。

色も少し茶色がかっています。

 

私は全く慣れてしまっていますが、炊いているときのにおいがダメな人はいます。

ごはんというものはふっくらしていて、においが強くなく、おかずになじむもの。そういうイメージの強い方ほど、玄米は苦手です。

白米とは違った、においと食感、味があり、それが玄米の特徴でもあるのです。

 

それを軽減し、なおかつ栄養価も摂りたい場合は5ぶづきとかにすると、だいぶ食べやすくなります。

 

玄米のビタミンやミネラルといった栄養は、ほとんどヌカと胚芽にあります。

食物繊維は白米の5倍とされています。

 

半面 消化に関しては10%程度悪くなるとされています。

 

カロリーはほとんど変わりません。糖質は5-7%ほど少ないくらいです。

食べやすさ・おいしさに関しては白米でしょう。

白くてふっくら柔らかく、消化吸収もしやすい。変なにおいや味がなく、おかずがすすむ。

 

玄米の炊き方

 

やわらかさは白米には負けますが、調理法(炊き方)を工夫すれば、玄米もある程度柔らかくなります。少なくとも硬いとか、ぱさぱさして食べずらいといった感覚は全くありません。

 

そのかわり、手間が少々かかります。

 

おいしい炊き方がいろんなところで紹介されていますが、要は浸水させることです。

 

つまり、夏は12~24時間(冬は2日以上かかることもありますが)程度、水に浸します。ぬるま湯(40度)がいいとされていますが、冷たい水じゃなければ大丈夫です。

これは柔らかくさせるためではありません。発芽させるためです。

 

玄米は生きており、水に浸していると発芽できます。

そう。芽が出てくるのです。

水に浸す時間の目安は、この芽が出てきたかどうかです。少しでも芽がでればOKです。全部の米に芽が出なくてももちろんかまいません。

同時につけておいた玄米のいくつかで芽が確認できればいいのです。スイッチは入っています。

 

 

そのくらい水につけていると、炊きあがりも柔らかくなります。もちろん 炊くときには普段のお米より水の量も多めにして、時間も長めにする必要がありますが、最近の炊飯器は玄米用の設定もあって簡単・便利です。

 

なぜ芽を出させるのか。=> 発芽毒について。

 

じつは発芽させるのには理由があります。

 

玄米は、種と同じです。勝手に芽が出てはこまるので(成長できない)、ある条件が整うまで、殻の中に芽がでないような仕組みを持っています。

 

それが、発芽を抑制するホルモンで、アブシジン酸というものです。

これをそのまま食べてしまうと、人の細胞のエネルギー代謝も抑制する可能性があり、疲れやすくなったり低体温になったり、また発がん等の可能性も示唆されています。

 

しかし、いったん発芽モードに入ると、この発芽抑制ホルモンはなくなります。したがって、その状態で食べると、アブシジン酸の影響は全くなくなるので安心なのです。

 

そのため発芽玄米がいいといわれ、市販の玄米にも発芽玄米と銘打ったものが出るようになりました。

 

ただ、この発芽玄米にも諸説あって、いったん発芽しても、その後保存するためにまた乾燥させた段階で、再度発芽を抑えるモードに入っているのではないかとも言われます。

そのため、市販の発芽玄米が大丈夫かはわからないというのです。たしかに一理あります。

 

つまり、自分で発芽させ、そのまま炊飯にもっていくのが一番安全で、間違いがありません。

 

ということで、買ってきた玄米をそのまま炊くのは賢明ではないので注意してください。

1日は水に浸しましょう。

 

玄米のにおい

 

しばらく水に浸していると、発酵しているようなにおいが出ることがあります。よく見ると水面に泡が出ています。

 

これをそのままにしておくと、すごいにおいの玄米が炊き上がります。

原因は、米ヌカのせいです。漬物を作るぬか床も、米ヌカです。独特のあの匂いです。

 

おいしい玄米を炊くためには、こまめに水を変えることが重要です。

 

においがしてきたらもちろんですが、泡が立っていたり、なんとなく濁ってきたら水を変えましょう。

 

暑い夏でなければ、1日のうち、1回変えれば十分です。猛暑の時はもう少し頻回になります。

 

水をきれいにしておくと、においもあまり出ません。

 

1日待って、多めの水で炊き上げると、ふっくらしたいい香りの玄米ごはんが出来上がります。

玄米でも炊き立ては、おいしいものですよ。

 

注意点 その2

 

もうひとつ、玄米に含まれるフィチンという成分もあまりよくないといわれいます。

胃の中でフィチン酸に分解されるのですが、これにはキレート効果があり、体内の有害物質を排出しやすくする作用があります。

 

そのためデトックス効果があるとされるのですが、それと同時に鉄分や亜鉛といったミネラルを排出してしまうようです。

 

しかし、その影響は小さく(もともとミネラル豊富なため、差し引いてもなお優位になります)、食事に問題になるようでなものではないという見方が主流ですので、気にせずによさそうです。

また、フィチン酸は、デトックス効果やダイエット効果、キレート作用があるとされています。抗酸化作用によりがん細胞を抑制したり、結石の予防や高血糖の予防、美肌効果もあるとされています。

 

そのほかのメリット・デメリットをまとめて

 

玄米は食物繊維が多く、消化吸収はあまりよくないので、下痢気味になったり、胃腸が悪い人には負担となりあまりよくないかもしれません。

 

逆の作用で、便秘解消になったり、ダイエットになったりする効果は期待できます。

 

白米にはないビタミンやミネラルも豊富です。

 

調べてみると、玄米を食べない理由がありません。

 

ダイエットに関しても有利です。

 

糖質制限してからは、1年くらいお米を食べてなかったのですが、玄米なら食べてもいいだろうと思ったのです。

もちろん糖質制限にはあまりなりません。茶碗1杯で糖質は55g程度あります。

 

カロリーこそあまり変わりませんが、GI値は白米の84に対し、玄米は56と低GI食品になっています。

 

低GI(グリセミック指数)食品は、血糖が上がりにくく、メタボやダイエットにも効果的とされているのです。

 

ということで、数年前から主食を玄米にしています。

 

玄米食は、いいことづくめに思います。

 

味に関しても、私は満足です。炊き立てはおいしいとさえ感じます。

 

しばらくは白米も食べていなかったので、そのせいかもしれません。

 

決してガマンして食べているわけではないのです。

 

農薬問題

 

玄米に関して、もう一つだけ、注意があります。

 

玄米を調べていると、異物と農薬関連の話題が出てきます。

この問題を説明します。

 

異物とは小さな石や、動物のフン等が混じっているとのことです。

小石は脱穀のときから混ざっていて、選別できなかったのでしょう。

動物や虫のフンは、具体的にはわかりませんが、玄米はそのままで保存されているため、その間に交じるようです。

その後、精米すれば余計なものは取り除かれるのですが、玄米はそのままで精米はしないため、異物も分別されていないままになります。

これは、水洗いの時に注意してのけるしかありません。

小石くらいは沈んだり、形でわかるでしょう。

フンに関しても、ちゃんと水で洗うと流れていくようです。

 

問題は農薬です。

 

つまり、白米には農薬の影響はあまりないけれど、ヌカ層や胚芽が残っている玄米には、そこに吸収された農薬も残っているとの指摘です。

 

言われてみれば、吸収して栄養を蓄えている部分です。農薬も吸収して残っているかもしれません。

 

白米は精米することで、農薬の影響は害のないくらいまで下げられるのでしょう。したがって、白米文化には農薬問題はほとんど取沙汰されてきませんでした。あまり必要性がなかったためです。ところが、玄米を食べるとなると、無視はできません。

 

ということで、無農薬玄米を調べました。

 

値段は少しあがりますが、いろいろな農産物直売所で販売されています。

自分の地域の直売所を当たってみるといいでしょう。

 

家の近くの販売所で、玄米の農薬チェックを定期的に行っているところがありました。

 

低農薬米や有機米、無農薬米といった種類があります。

 

ホームページには、少ない量の農薬を使っている農家紹介や、販売している玄米の農薬残量を計測し、ほとんどないことを証明書付きで保証していたりします。

 

無農薬農家とも提携し、無農薬米も数種類販売されていました。

 

そこで、私は無農薬の有機玄米を購入するようになったのです。

 

 

余談ですが、オールブランや小麦ふすまというものも健康にいい、ダイエットにいいといって注目されています。

これらは、小麦の外皮をつけたまま加工したものです。この外皮も、食物繊維が豊富で、ビタミン・ミネラル等豊富に含んでいるため、特定保健用食品になっています。

玄米と共通する考えですが、やはり農薬問題は気になります。

検査して、害のないレベルだといいと思いますが、小麦は9割が輸入小麦です。アメリカ・カナダ・オーストラリアが主です。

気をつけなくてはならないのは、原材料をオーガニックとか無農薬等に限定しているかどうかだと思います。理由は玄米と同じです。

有機栽培のものなら安心していいと思いますが、私が調べた限りでは、はっきりした情報はなく、何とも言えませんでした。

 

炊飯と保存

 

玄米を炊くのは普通より少しだけ、時間もかかります。

うちではいまのとこり、自分以外に玄米は食べません。

 

家族全員で食べるとなると、毎日炊かないといけなくなり、そうすると結構大変です。1日浸け置きしなくてはいけないし、時間もかかります。

 

そもそも、育ち盛りの子供には、玄米を食べる必要もないのかもしれません。

 

一人分だと、玄米を炊くのは一週間に一回くらいです。

炊き立てをおいしくいただき、そのほかは小分けにして冷凍保存します。

ラップでもいいのですが、結構面倒なので、ごはん保存容器に小分けしています。

ちょうどお茶碗一杯分で、詰めてフタしていけばいいので楽勝です。

冷凍庫が結構かさばりますが、食べるときにレンジでチンするだけなので、非常に便利です。

 

最後に

 

玄米はヘルシーで、体にいいものです。

正しい食べ方をすれば、まったく問題はありません。

最近は小麦の全粒粉パンや、小麦胚芽入りビスケット、グラノーラ、マクロビビスケット等が話題です。

シリアルでも、オールブランの方が評価が高い。

玄米もまさにそれに近い食べ物のひとつです。

(マクロビとはマクロビオティックの略で、丸ごと全部、バランスよく食べることが健康にいいという考えです。)

 

ぜひおいしい玄米を食べてみてください。

 

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